風景 ブレイキングダウン 真夜中によく車を運転する。国道を外れ、幅員が狭くうねった道に入ると周囲は「黒」。山々の木がただ存在だけを示している。物理的な存在のはずが、なぜか空間のように感じる。ここは現実の世界なのか。自分が生きているのか死んでいるのか。フワフワとした感情が続くと、いつのころか空と山はそれぞれの色をなしてゆく。夜明けが訪れると、安堵とも落胆ともなんとも言えない思いに包まれる。